2010/02/21

2010.02.21作業記録


今日は久しぶりの作業日。既存木製建具と枠・額縁との隙間を塞ぐしごとをしました。

12ミリ角の木材を枠に留め、一カ所ずつ地道に隙間を塞いでいきます。
固定は真鍮製の小さな釘をボンド無しで。
真鍮はかなり柔らかいので、キリで仮穴を空けてからでないとすぐに折れます。
手間がかかりますが一本一本丁寧にトンカチで。
一部、枠材が欠けている箇所がありましたがそこは埋木をして柿渋で塗装しました。

この長屋は築80年以上経過しているので開口部周りの枠材も当然歪みまくりです。
その激しい歪みに対し真っすぐに製材された木材をあてがうというこのしごと、
本当に骨が折れます。昔のものと今のものは、そう簡単に取り合ってはくれません。
ただ、幾層にも積み重なった時間のレイヤーを肌で感じる事が出来るので、
作業中は様々な発見があり(例えばこっちの釘を打てばあっちの建具が動かなくなる等)、
実に面白いものです。

近所にNTTオフィスビル(最高高さ40メートル強!)進行中の現場がありますが、
日曜だと言うのに今日も動いていました。その現場の職人達は帰り道に、
僕のしごとを物珍しそうに横目で見ながら通り過ぎて行きます。
そりゃまあ、玄関前の歩道に小さな工具を並べ、
12ミリ角の木材を紙ヤスリでチマチマ削ったりしているわけだから、
巨大な電動工具持ってズカズカ歩く彼らからしたら
「めんどくさいことお前ようやるなあ」
まあ、そんな感じでしょう。


■一級建築士  以上1名で作業

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